594e018abcfb3f4e0bb227e6a1d11f25_s
所得税とは、個人の所得(≒儲け)に対して課税される税金です。所得税では個人が得た所得を、その発生原因別に10種類に分類してから計算していくことになりますが、ここでは、この10種類の所得のうち、個人事業主にとって重要な「事業所得」の計算のしくみをメインに解説していきます。
(注)個人事業主の方で、その事業以外からの収入(例えば、株の売買をしている、土地を売却した、など)が無い場合には、「2個人事業主の所得税の計算方法」から読んで頂いても構いません。


Sponsored Link

所得税の計算のしくみ

所得税は、その年の1月1日~12月31日に得た全ての所得(≒儲け)から、「所得控除」を差し引いた残りの金額(課税所得金額)に税率を掛けて税額を計算します。
所得税は概ね以下の➀~➄の流れで計算します。

➀各種所得の金額の計算

所得(≒儲け)をその発生原因別に10種類に分類し、それぞれの区分に応じて所得金額を計算する。なお、10種類の所得とは以下の通りとなります。

⑴利子所得・・・・・預貯金の利子、公社債の利子、公社債投信など一定の投資信託の収益の分
配などから生じる所得
⑵配当所得・・・・・株式の配当、投資信託の収益の分配金などから生じる所得
⑶不動産所得・・・・不動産貸付(例、貸家、土地、駐車場等の貸付)から生じる所得
⑷事業所得・・・・・事業(例、小売業、卸売業、サービス業など)から生じる所得
⑸給与所得・・・・・給与、賞与などから生じる所得
⑹退職所得・・・・・退職金や退職金共済制度などから生じる所得
⑺山林所得・・・・・所有期間が5年を超える山林の売却より生じた所得
⑻譲渡所得・・・・・資産の売却から生じた所得
⑼一時所得・・・・・クイズの賞金や懸賞金、満期保険金などより生じた所得
⑽雑所得・・・・・・年金収入、原稿料、印税、講演料など、及び上記⑴~⑼のいずれにも該当
しない所得

➁所得の金額の総合

10種類の各所得金額をまとめ「総所得金額」を計算する。

➂課税所得金額の計算

「総所得金額」から「所得控除額」を控除して「課税所得金額」を計算する。
なお、所得控除として14種類の控除が認められています。(例、医療費控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など)(所得控除についての詳細については、他のページを参照)

➃算出税額の計算

「課税所得金額(課税される所得金額)」に応じて、所得税速算表の税率※を乗じ、所得税速算表の控除額を差し引き、「算出税額」を計算する。

※課税される所得金額に応じて、最低5%から最高45%となる。(所得税速算表については、2個人事業主の所得税の計算方法の➃を参照)

➄納付すべき税額の計算

算出税額から税額控除等※の金額を控除して、納付すべき税額を計算する。

※税額控除額の控除(例、住宅ローン控除、配当控除、寄付金特別控除など)、源泉徴収税額の控除(給与所得があり、源泉徴収されている場合など)、予定納税額の控除(予定納税として所得税の前払いをした場合)
注・なお実際にはここで計算した所得税額に復興所得税額2.1%が加算された金額が、納付すべき税額となる。


Sponsored Link

個人事業主の所得税の計算方法

個人事業主の所得税は基本的には以下の➀~➄の流れで計算していきます。

➀「事業所得」の計算

事業から生じた、1暦年間分(1/1~12/31)の総収入金額(≒売上高)から必要経費を差し引いて、「事業所得」を計算する。

総収入金額-必要経費-(青色申告特別控除額※)=事業所得(≒利益)

※青色申告制度を採用した青色申告者は、青色申告特別控除額を控除することができます。なお、青色申告特別控除によって控除できる金額は、貸借対象表を備え付けるなど一定の要件を満たした場合は65万円、それ以外の場合には10万円となります(青色申告の詳細については他のページを参照)。

➁所得の金額の総合

事業所得以外の所得※がある場合には、その所得(≒儲け)を合算し、「総所得金額」を計算する。

事業所得+事業所得以外のその他の所得※=総所得金額

※「1所得税の計算のしくみ➀」の10種の所得を参照

➂課税所得金額の計算

総所得金額から各種所得控除額を控除し、「課税所得金額」を計算する。

総所得金額-各種所得控除額※=課税所得金額(課税される所得金額)

※所得税では生活面での個人的事情等を考慮するために、14種類の所得控除が認めれています。代表的な例として、医療費控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除などがあります。(所得控除についての詳細については、他のページを参照)

➃算出税額の計算

課税所得金額(課税される所得金額)に応じて、所得税速算表の税率※を乗じ、所得税速算表の控除額を差し引く。

課税所得金額×所得税速算表の税率※-所得税速算表の控除額=算出税額

※課税される所得金額に応じて、最低5%から最高45%となる。

参考:所得税速算表(平成27年分)

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

➄納付すべき税額の計算

算出税額から税額控除等※の金額を控除して、納付すべき税額を計算する。

算出税額-税額控除等※の金額=納付すべき税額

※税額控除額の控除(例、住宅ローン控除、配当控除、寄付金特別控除など)、源泉徴収税額の控除(給与所得があり、源泉徴収されている場合など)、予定納税額の控除(予定納税として所得税の前払いをした場合)
注・なお実際にはここで計算した所得税額に復興所得税額2.1%が加算された金額が、納付すべき税額となる。

個人事業主の所得計算の具体例

それでは、以下の具体例をもとに、納付すべき税額を計算をしてみましょう。
〔具体例〕事業から生じた総収入金額600万円、必要経費300万円の個人事業主(青色申告者に該当)で、青色申告特別控除額10万円、所得控除の合計額が116万円(基礎控除38万円+配偶者控除38万円+社会保険料控除40万円)、住宅ローン控除3万円の場合。

これを「2個人事業主の所得税の計算方法」の流にあわせて計算すると・・・

➀600万円-300万円-10万円=290万円(事業所得)
➁290万円+0円=290万円(総所得金額)
➂290万円-116万円=174万円(課税所得金額)
➃174万円×5%-0円=87,000円(算出税額)
➄87,000円-3万円=57,000円(納付すべき税額)

となります。

注・なお、実際には所得税額に復興所得税額2.1%が加算されるため、税務署に納付する金額は・・・
57,000円+57,000円×2.1%=58,197円→58,100円(百円未満切捨)となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は所得税の計算のしくみについて、個人事業主の所得税の計算の流をメインに解説させて頂きました。税金関係の計算というと身構えてしまう方も多いかと思いますが、所得税の計算はこのようにポイントさえ押さえてしまえば、基本的には難しいことはありません。

また、分らない事やイレギュラーな計算をする必要がある場合には、税務署に質問行けば丁寧に教えてもらうこともできます。

今回の記事は所得税の計算の基本的な知識として活用して頂ければ幸いです。

確定申告はお任せしたい!自分に合った税理士を探したい方へ

自分で経費を入力するのもめんどくさいし、わずらわしい確定申告も全部お任せしたい!


そんな方は、税理士に依頼するのが一番です!


ただ、税理士に全部任せたいけど、顧問料は高いのでは?、自分と合わなかったらどうしようか不安、そもそもどこで税理士を探したらよいのか分からない・・。


と、悶々と悩んでいませんか?


そんな方におすすめなのが、自分に合った税理士が見つかるサイト「税理士ドットコム」です。


「税理士ドットコム」では、24時間全国対応で何度でも無料で税理士を紹介していただけます。


さらに、紹介する税理士の細かなプロフィールを教えていただけるので、自分に合う税理士を効率よく探せます。


また、コーディネータの方が間に入っているので、その場で契約を強要されるような事は一切なく、安心です。


実際に面談した後にじっくりと、契約するか否かを考えられます。


なお、「税理士ドットコム」を利用した方の約70%の方が、顧問料の引き下げに成功しています!


税務関係で悩んでいるなら、「税理士ドットコム」に問い合わせをして、あなたの悩みをスッキリと解決して、本業に100%専念しましょう!


>>何度でも無料で紹介してもらえる!「税理士ドットコム」で探してみる


Sponsored Link